テキストサイズ

KIND KILLAR

第5章 What is this feeling?

S「なにやってんだよ!山本っ!!!!!!」



ガンッと扉が開いて、オレが一番会いたかった人が入ってきた。



O「しょ・・・くん。しょお・・・くんっ!!!」



ホッとしたらまた涙が溢れてきて止まらなくなった。



そんなオレを山本から引き離してくれた翔くん。



くいっ、とオレを後ろに隠してくれた。



「なっっ・・・んで来たんだよ。」



おどおどと翔くんを上目遣いで見る山本。



そんな山本を睨みつけたまま、翔くんは、じりじりと距離を詰めた。



その後ろ姿からは殺気が立ち上っていて。



おもわず、



O「しょおくん、ダメだよ!殴るとかダメ!」



そう叫んだ。



せっかく今まで作ってきた信頼関係が、オレのせいで全部崩れるなんて嫌だ。



・・・・・・その声が聞こえたのか聞こえてないのか。



S「帰れ。今すぐ。二度と智くんに近づくな。」



怒りを押し殺したように、低くつぶれた声で言った。



それを聞いて、山本も命の危機を察したんだろう。



こくこく頷きながら、無言で転がるように美術室から出て行った。







O「翔くん・・・。ごめん。」



窓の外を見つめたまま、こぶしを握り締めてる翔くんに謝るけど。



何も答えてくれなくて、また泣きそうになった。



さすがに呆れたよね・・・。



同級生にされるがままで、抵抗もできなくて、結局頼ってしまった。



もし、翔くんが手を出してしまってたら、彼の未来も壊してしまっていたかもしれない。



O「ご、めん・・・なさっ・・・。」



申し訳ないのと悲しいのと怖かったのでぐちゃぐちゃの心は治らなくて。



また瞳が潤みだしたその時。



O「ふっ・・・うぇ・・・っ?」



ポロポロとこぼれる涙が、誰かの手によって掬われた。



顔を上げると。



O「っ!!!???」



唇に、あったかいものが当たって。



優しい翔くんの香りがふんわりとオレを包んだ。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ