テキストサイズ

KIND KILLAR

第6章 Repeat over and over.

S side



また、やってしまった。



高校のとき、二度としないと誓ったのに。



少し冷えてしまった小さな身体を胸の中に感じながら、自分を恥じる。



O「しょ、くん。」



貴方の反応も20年前と同じ。



前髪の下から覗く潤ませた瞳と紅く染まった頬。



艶やかに濡れた唇。



ただ、前と違ったのは俺が歯止めがきかなくなってしまったこと。



高校生のあの時は、正直彼女とかいてもキスまでが精一杯だったから。



そのあとどうするなんてわからなかったから、ただ唇をぶつけて終わりだった。



でも経験を否が応でもしてしまった今。



この魅惑的な唇を貪りたい欲望で胸がいっぱいになる。



ふと目の前の貴方を見ると、不安げな顔で俺を見てて。



一瞬だけミジンコレベルに落ち込んだ俺の理性ちゃんが大豆くらいの大きさになった。



S「ぬあああああああああああああ!!!!!!!!」



O「えっ、なに!?」



俺の大豆理性ちゃんが頑張ってくれて、智くんを引き剥がした。



急に引き剥がされた当人はびっくりして目をクリクリしている。



S「雅紀!!!智くんのことは頼んだ!!!!俺は走る!」



O A「はあ!?なに言って・・・!」



S「アディオス!!!!!」



全力疾走だ、櫻井翔。



見るな、見てはいけない。



あの可愛い生き物をおおおお!!



見たら俺の理性ちゃんなんかもうミドリムシだよ。



あ、でも。ダメだ。



S「さとしくーーん!!!ちゃんとお風呂入ってあったかいもん食べて、あったかくして寝るんだよ!風邪引くからね!!」



大声で叫んで、スッキリする。



よし、邪念を追い払おう。



そして、考えなきゃ。



俺の恋の始末を。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ