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まだ顔を覗き込んだままの潤は

「最近俺を避けてる」

今度は少し悲しそうな顔をした

「避けてなんか…」
「避けてる！」

…だから被せるなって


「顔を合わそうともしないし、誘ってもずっと断ってるくせに」


これには何も返せなかった

"飲みに行かない？" って潤から誘われたのを
意識してからは全て、適当な嘘をついて断ってきたくせに

…他の誘いには乗ってたのは明らかだから


「俺、翔くんに何かした？」

「そんな事…」

ない、と言おうとした時

"撮影入りまーす！" のスタッフの声に遮られ、そのまま潤と話す機会を失ってしまった


二人並んで笑顔を、と言われ
心とは正反対の顔を作る

顔を見合わせろと言われればその通りにする


だけどお互いの目は、合わせているようで合っていない

はっきり言って、最低な撮影だった
そしてその状況を作った自分に、嫌悪感を抱いていた


撮影が終わると、走るようにスタジオを去った潤の後ろ姿を見て

このままじゃいけない事も、分かっていた