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「……っ」

何考えてんだ、俺

コイツはまだ高校生で、しかも男だぞ？！

…だけど痛いくらいに心臓はドキドキしていて

キスしたい、とさえ思ってしまった事に自分自身、激しく動揺した


「…別に見てねーよ、…皆と一緒」

「良く言うよ」

何とか冷静に言ったのを、被せるように遮る大野


「もしかして、俺が気になってる？

……松本センセ」


「何言ってんだ、バカか」

慌てて大野から目を逸らした

ヤバい

これ以上近くにいられたら、変な気を起こしそうだ

コイツは、男とか女とか以前に

人として相手を魅了する何かがある


「ね…キス、したくない？」

そう言った大野が、更に距離を縮めてきた

コイツがどういうつもりで、こんな事言ってるのかは分からない

だけど

俺には教師としてのプライドがある

生徒に主導権は握らせたくない

それがどんな場面だろうと


「…何お前、いっちょまえに誘ってんの？」

「え？」

大野の顎に指を引っ掛けた

そして

「あんま俺を見くびんじゃねえぞ」

"お前から言ってきたんだからな“


グッと顎に掛けた指に力を入れて

……大野の唇を自分のそれで塞いだ