今日も明日も 2nd season
第34章 愛しい人 *赤+紫×青*
「で、何で智くん1人を残したんだよ」
「…ヤバかったんだよ
1回抱いたら、もっと欲しくなってさ
……壊しそうだったんだ」
チラ、と横目に捉えた潤の表情は、多少は悪いと思ってるようで
言ってる言葉は確かにとんでもないけど
潤に対する怒りは少しだけ納まってきた
「まだ、いればいいけど…」
潤が、小さく呟く
そう言われればそうだ
車を走らせてはいるけど
智くんが待ってるとは言ってたけど
…絶対にいる保証なんかどこにもない
だけど
あの電話の感じては、動く気力はなさそうな気もする
「…ちょっと飛ばすぞ」
とは言え、やっぱり不安は大きくて
俺はアクセルを強めに踏み込んだ
「明かりは…ついてる」
駐車場について、部屋を見上げた潤がポツリと言った
「…とりあえず、俺を先に入らせてくれ」
「分かってるよ」
潤の部屋だけど
智くんは、俺を頼ったから
…俺が電話を掛けたからではあるけど
まだ部屋にいるとしたら、そこは智くんの心が優先されるべきだ
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