無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

いくら仕切りがあるからと言って、完全に遮断されている訳じゃない

何かで前に座ってる人が振り返ったらそれこそアウトだ


「んぅ…っ」

なのに相葉さんは、止める気は更々ないようで

強引に唇を抉じ開けて、舌を滑り込ませてくる

絡めている指を離そうともがけば、離さないと謂わんばかりにきつく絡めて、舌は容赦なく俺の咥内を弄ぶ


握っていない方の手で相葉さんを叩いても、執拗なキスに力を奪われてしまって何の牽制にもならなかった


いつもなら聞こえる舌の絡み合う水音も、映画の音声に書き消されて聞こえない分

相葉さんの咥内を犯す動きに激しさが増していく


「ん…っ、ふ…、はぁ…っ！」

だから漸く唇が解放された時には、息苦しさと羞恥にまともな呼吸が出来なくて


「何して…っ！」

「しーっ、上映中だよ」

暗がりでも分かる、にやついた微笑み


「おま…、ふざけんなよ！」

大きな声を出す事も、ましてや引っ叩く事も出来ないのがもどかしい

「にのが声出さなきゃいいんじゃん？」

「は？」

謝るかと思いきや、まさかの相葉さんの言葉に次の句が続かない


「こういうとこで…ってぞくぞくしない？」

耳許で囁かれ、ついでに軽く息を吹き掛けられて

嫌でも背中が粟立ってしまった