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今日も明日も 2nd season

第9章 見えない鎖 part ⅩⅠ




「ああ…、確かにそうだな」

俺の、支離滅裂にも近い説明にも関わらず
先輩は意図を読み取ってくれた

「どうすっかなぁ…。携帯買い換えるとか?」

確かにそれは一番手っ取り早い

だけど学生ではない今、番号を変えるのは色々と面倒が生じる訳で “ですよね“ とはすぐに承諾が出来ないのが現実だ


まあ、そこは先輩も分かっていてわざと言ってるのは伝わったけど




「えーと、ちょっといいかな」

運転をしてくれている “先輩の友達“ が初めて口を挟んだ

「あ、はい」

そう言えば慌てていて挨拶も碌にしていなかった事に気付いて

「すいません。挨拶もしないで…」
すぐに謝った俺に

「はは、いいよそんなの後で。それよりさ…」


…初めて会ったその人は、先輩の同級生で

かずくんのお兄さんの “元“ 友達だった



「あいつの性格からして、電話はないと思うよ」

「え?」

「…怖がらせたら悪いけど、あいつは電話する位なら直接行動に移すタイプだから」


…聞かなきゃ良かったかも

一瞬そうは思ったけど、むしろ知らないよりは良いのかも知れない


かずくんを守る為には



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