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今日も明日も 2nd season

第9章 見えない鎖 part ⅩⅠ



すぐに唇を離して

「次、謝ったら……唇にキスするからね」

かずくんがそういう行為を怖がってるのを知ってるくせに、頭で考えるより先に

そんな言葉が先に口をついていた


……俺は、善人じゃないし

守りたいと思うのは本当だけど、未だに残る疚しい気持ちだってなくなった訳じゃない


「怖いでしょ?…だから「怖くない」」

被せるように返ってきたかずくんの言葉に、思わず目を丸くした

「…怖く、ないです」

かずくんが下を向いたまま、…だけど耳を真っ赤にして消えそうな声で呟く


なんで?
前はあんなに怯えてたくせに


……ああ、そうか

かずくんも不安なんだ

触れられるのは怖いのに、自分だけがしがみつく状況では、その不安が拭えないんだ

だからきっと

“怖くない“ そう自分に言い聞かせて、我慢しようとしてる



でもね
かずくん、俺はそこに付け込むよ?

触れていいんだって、逃がさないよ?


かずくんを自分のものにしたい

その征服欲は、全く消えていないんだから




下を向くかずくんの頬を両手で挟む
そして、上を向かせて強引に目を合わさせた

「…謝ってないけど」

それだけ言ってから

…俺はかずくんの唇を有無を言わさずに塞いだ



to be continue…


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