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今日も明日も 2nd season

第9章 見えない鎖 part ⅩⅠ



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勝手の分からない部屋に取り残されて

確かにさっきまでの数時間で一気に疲れてしまったけど

こうも短時間で色んな事が起きると逆に目が冴えてしまう


どうせ仕事も暫くは行かないし
アパート同様、外にも出られないし

…そもそもここがどこなのかも、車の移動中はかずくんに意識が向いていて分かってないけど


なんかドラマみたいだ

こんな事が現実に、それも自分の身に起こるなんて想像もしなかった


「ごめんなさい…」
ふいに、かずくんが謝ってきた

「え?」

「俺の…せい」


…何回目?
俺、謝るなって言ったのに



「かずくん、怒るよ?」
少し声を低くして、支えてた肩をグッと掴んだ

かずくんが途端にビクリと大きく身体を震わせる


「謝るなって言ってるよね。かずくんは悪くない
…次、また謝ったら」

「…まーくん?」

そこで言葉を切った俺を、不安気に見上げるかずくんの目は潤んでいて

…吸い寄せられるようにその目許に唇を寄せた

かずくんがギュッと目を閉じて身を竦める

その怯えた顔を見ながら、俺は目尻に触れるだけのキスをした







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