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安住の地はマンションでした

第1章 mission1:抜け出せ!!

僕たち双子は、いわゆるケモノ人間というやつだ。

両親は人間だけど、突然変異でケモノとして産まれ落ちた。
……厳密には、ケモノとして力を発揮しだしたのはここ2年程だけれど。
それまでは全く普通の人間で、全く普通の日常生活を送っていた。
ごく普通の、家庭だった、のに……。
15歳をむかえたその夜。
綺麗な満月の夜。
突然、僕たち双子はケモノと化した。
頭に耳が生え、爪が伸び、尻に尾が生えた。
鏡で自分の姿を見た僕たちは、あまりの恐ろしさに

――吠えた。
それは本物のケモノの声。

そして見られてしまったのだ。
僕たちの寝室へと駆けつけた両親に。

戸惑い、そして恐怖。
……おぞましいものを見てしまった嫌悪感。

そんなものを感じ取れる表情をしていた。

恐れた両親は、僕たちをひとならざるものを管理、研究する機関へと引き渡した。

『大丈夫、また会えるわ』

『少しの我慢だぞ』

そう言ったけれど、何となく嘘だと分かっていた。
でも、信じたかったから……信じたかったから、首を縦に振った。

ここまでが、今までの経緯だ。

ほんと、嫌になっちゃうよね。

もちろん、そんな時は来なかった。

気づいたら僕たちはもう17になる年だ。
というか、今日が誕生日だ。

そして、今日も

綺麗な、満月の夜。

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