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風鈴の夏

第2章 俺と使命

何だかんだと調べ回った結果、俺はタイムスリップしたらしいことが分かった。

「…でどうすりゃ良いんだ?」

何の理由も無しにタイムスリップする訳は無い。
きっと何かしなければならない。
…でも何を?
2001年の7月7日
15年前の七夕の日…。
俺はその時、ハッとした。

「待てよ、この日…この日付って確か!」 

そう、あの日。
俺が後々まで引き摺ることになったあの出来事が起こった日。
しかし、だからって俺に何が出来る?

「お兄さん。」

いきなり声を掛けられ、ハッと振り返ると昨日の浴衣の男の子が立っていた。

「君、昨日の…」

「お兄さん、過去に戻った感想は?」

「感想って…」

この不思議な現象はこの子の仕業らしい。

「なあ、単刀直入に聞くよ。」

「???。タントウチョクニュウ?」

首を傾げる男の子。
俺は無視して聞く。  

「君は俺に何をさせたいの?」

「お兄さんの夢を叶えさせてあげるの。だけどチャンスは今夜、1日切り。ボクがこの力を同じ人には1回しか使えないんだ。よく覚えておいてね。」

「はあ…。」

俺は釈然としないまま頷いた。


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