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夢鉄道

第1章 夢鉄道

 窓の外は光の無い世界。

 ここが夢と夢が繋がってる世界。

 やがて、前方から光が放ち、瞬く間に列車を包みこんでいく。


「着いたよ」

 軽いな。たしかに、列車はとまり、一瞬体が揺れた。

 私は、ゆっくりと歩を進める。だが、思うように足が動かない。

 バクーが自分の鼻を持ち上げて言った。

「足が上手く動かないのは、現実の君の体がベッドで寝ているからさ。足を動かそうとしても、上手く歩けないよ」

「え、どうすればいいの?」

「イメージすればいいんだよ。普段夢を見ている時は、体はジッとしている時があったり、激しく動いたりすることあるだろ。夢の動きと現実は違うから、動くことをイメージすればいいんだよ」

 藤子F不二雄作品のような説明を聞かされた私は、自分が動くことをイメージした。

 すると、普段歩くように、足が動いた。

「あっ、動いた!」

 そして、そのまま、列車を降りた。


 外は、全体に黄色い世界。それもいきなり室内だった。

 そこは、窓から海が見えるオーシャンビューの洋風な部屋。

「えっ、天女はこんな夢を見てるの?」

 なんとなく、妙な憤りを感じながら、私は、黄色い部屋の中を歩いてみた。

 大きな楕円形のテーブルは、石材の造り。よく見れば、バカデカイ三葉虫の化石だった。

 て、言うか、なぜ、私はここにいるの? なぜ、チームのセンターの天女の夢?

「それは、君の心。なにか言いたいことがあるんでしょ? 思いっきり言ってやんなよ」




 

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