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仔猫ちゃんとレジのお姉さん

第1章 🐱®

「そうそうッ。この子ですッ。
良かったねぇ。飼い主さんが見つかってッ」

今夜も熱帯夜になりそうな暑さ。

お姉さんも僕と同じく
喉が渇いているはずだと
冷たい麦茶を差し出した。

「頂きます」

お姉さんは玄関先に腰を降ろすと
額の汗を拭いながら麦茶を飲み干した。

このアパートにはエアコンが
完備されていない。

暑さ凌ぎに窓を全開にすると
生ぬるい風と……

『リン……リン……』と風鈴の音色。

「涼しげですね」

お姉さんは仔猫ちゃんをあやしながら
風鈴の音色を聞き入っていた。

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