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仔猫ちゃんとレジのお姉さん

第1章 🐱®

「風鈴の音なんて久し振りに聞きました」

『リン……リン……』

「僕の母親の手作りなんです」

母親はガラス工房に勤めていて
風鈴も作っている。

「素敵な御職業ですね。貴方は学生さん?」
「僕は……無職……です」

無職の僕が仔猫ちゃんを拾って
育てようなんて……笑えますよね。

仔猫ちゃんより自分の心配しろ……って
感じですかね。

『リン……リン……』

「風鈴のように生きられたらいいですね。
自然に身を任せて風に揺られて……」

お姉さんが無職の僕を風鈴に喩え
励ましてくれている気がした。

『リン……リン……』

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