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親友が1,000万円の借金を抱えた理由を本人の承諾を得て掲載

第1章 先日の美緒との電話

『それがさー、値がつかないらしいよー。
だって、うちって……ほら……あれじゃん』
「あれって、なによ。今さら勿体ぶるな」

『ほらー、うちってさー、事故物件じゃん』
「……だね」

数年前に美緒の母親が実家で自殺していた。

『でも、隣のおいちゃんが、うちを
400万で買ってくれるらしい』
「それ、確定か?」
『確定じゃないけど、そういう話。
兄ちゃんも「だったら、あと100万だな」って
喜んでたわー』
「おい」

あと600万な。

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