笑い、滴り、装い、眠る。
第8章 花梨―唯一の恋―
「……。」
准「そんな怒るなよ?」
「別に……怒ってねぇし?」
ベッドに突っ伏したまま動けないでいる俺をヤツが半笑いで見る。
准「ん?じゃあ、気持ちよかった、ってか?」
「言ってねぇよ!!」
急に半身を起こしたせいで腰に激痛が走る。
准「なあ、大野。」
「……何だよ?」
シーツに顔を埋める俺の側に来た准一が腰を摩ってくれる。
准「俺らマジで付き合わねぇか?」
「……。」
理由なんて、俺からは聞くまでもない。
准「体の相性、バツグンに良くねぇか?」
「まあ……そうだな?」
どちらかと言うと悪くない。
今までヤりまくっていた相手がジジィばっかだったから、余計にそう思うのかも知れないけど……。
でも……この男のことを好きか、って、聞かれりゃ……。
……違う気もする。
准「じゃあ…」
「……セフレならいいよ?」
准「え?」
「だから、ソッチの相手ならいい、って言ってんの。」
イケメンで細マッチョ、
おまけに特技は格闘技。
普通の女子とかなら「喜んで!」ってとこなんだろうけど、
俺はと言えば、どこか違和感、というか、釈然としない状態のままだった。
俺に絵を習いたい、って言う、弟の存在を含めて。
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