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笑い、滴り、装い、眠る。

第8章 花梨―唯一の恋―



准「なあ、大野。お前さ…」



会って早々にベッドに組み敷かれ、これでもか、というほど俺の体を貫いた後、



准一は仰向けにタバコを吸っては煙を吐き出していた。



准「俺の他に付き合ってるヤツいるだろ?」


「はあ?」



最近のヤツは、口ぐせのように口を開けばこんなことを聞いてくる。



「いるわけねぇだろ?そんなヤツ?そもそも…」



隣に寝ていた准一のタバコを取り上げ側にあった灰皿の縁で揉み消した。



「俺ら、付き合ってねぇし?」



よっこらしょ、と、反動を付けベッドから飛び降りる。



が、痛いぐらいに手首を掴まれベッドに引き戻された。



准「何だよ?他にパトロンでも出来たのかよ?」



組み敷いた俺を真顔で見下ろす准一に渇いた笑いが漏れた。



「まさか……お前以上にセックスが上手くてカネ持ってるヤツがいるかよ?」



呆気に取られている准一の顔を両手で引き寄せ奪うようにキスをする。



「バツグンに体の相性がいいのに、さ?」



強ばった顔が、見る間に自信に満ちてゆく。



准「だったら…」


「ぁ……っ…」



再び体がシーツの海に沈められる。



准「だったらまた、キモチよくなろうぜ?」



准一は有無を云わさず俺の両足の間に体を割り込ませてきて、俺の入り口に自身を押し付けてきた。


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