笑い、滴り、装い、眠る。
第16章 a little guy
翔side
「はあ…」
俺は落ち込んでいた…
初めて家庭教師のバイトを任され、意気揚々と引き受けたはいいが、
思うように捗らないばかりか泣かせてしまったことに落ち込んでいた。
俺の何がいけなかったんだろう?
いや…やっぱり……あの…
息抜きに、と誘ったファミレスでのことを思い返す。
遅れてやってきて大野くんの隣に座った二宮くん。
彼が何やら大野くんに耳打ちしてから大野くんの様子がおかしくなった。
まさか…弱味でも握られてんのか?
でも、二人は初対面だ、って聞いてるし。
「……わっかんねぇなあ…」
わしゃわしゃと頭を掻き毟ると、目の前に座っていた俺の様子を見かねた松本が声をかけてきた。
潤「さっきから何ぶつぶつ言ってんだよ?」
「あ…ああ。実は…」
俺はことの経緯を少しばかり端折って松本に打ち明けた。
「……と、言うわけなんだよ?」
すると松本は不機嫌そうに眉を寄せはあっとため息をついた。
潤「あのなあ、櫻井…。」
「なっ、なんだよ?」
潤「お前、何やってんだよ?」
「えっ?何……とは?」
泣かしたこと…かな?
潤「鈍すぎだ、って言ってんの!」
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