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笑い、滴り、装い、眠る。

第16章 a little guy



大野くんの家から帰ってきてすぐ俺は机に向かった。



お袋が階下から夕食がどうこうって言ってたけど、適当に返事をしてひたすら問題集に没頭していた。



何かに没頭していないと、有らぬ考え、というか画が頭を占めるからだ。



俺、やべぇのかも?



ふと、窓の外に目をやると隣の家の二階の部屋の明かりに気がついた。



あれ?珍しい。



その部屋には、俺が小さい頃からお世話になってる大学生が住んでいて、心理学を専攻している人がいた。



「すみません、突然。」


准「いいんだよ?」



丁度筋トレしてただけだし?と笑った。



その笑顔につられて俺もつい笑ってしまった。



准「お前、心理学の勉強してるくせに、筋トレなんかしやがって?って思っただろ?」


「まあ…」



思ってないけどまあ、いいか、と否定せずにいた。



准「どうした?悩みごとか?」


「えっ?…まあ…はい。」


准「もしかして恋の悩みか?」


「ちっ…違います!!」


准「おかしいな?松本から聞いてたんだけど?」


「松本が?」


准「ああ。何でも同じ人を好きになったみたいなんだ、って?」


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