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笑い、滴り、装い、眠る。

第16章 a little guy



とは言うものの…



翔「このへんで一息入れない?」


「じゃあ僕、お茶入れてきますね?」



何飲みますか?と、顔を覗き込むと、櫻井さんの顔が赤くなった。



翔「つ…冷たいものが…いいかな?」


「温かくなくてもいいんですか?」



急にしどろもどろになって、それっきり顔を逸らしちゃうから、



それ以上追及できなくて、諦めてキッチンに向かうんだけど、



……何だかなあ…



最近の櫻井さん、変。



勉強を教えてくれてる時はきちんとしてくれるのに、



オフモードになると途端に落ち着きがなくなっちゃう。



カッコよくて、いつも冷静沈着で、大人な判断ができる櫻井さんが好きだったんだけど、



でも、



そんな一面もあるなんてちょっと意外で、ちょっと親近感が持てて、



年上なのに、ちょっと可愛いかも?なんて♪



鼻唄混じりでグラスにジュースを注いでいると、背中に視線を感じた。



恐る恐る振り向くと、そこには心配そうに見つめている櫻井さんが立っていた。



翔「ご……ごめん。遅かったから何かあったのかと思って?」



心配……してくれたんだ。



持つよ?と、トレイを持つ僕の手に、



櫻井さんの手がフワリと重なった。



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