ドラクエらんど【番外編】
第1章 1
そんな僕を見て風は一瞬目を丸くしたけど、次の瞬間、柔らかい表情で微笑んだ。
「わかった。フォローは任せて」
僕は風に防御力と攻撃力があがる呪文をかけてもらうと、トロルの背後に近づいて行った。
「とぅ!!」
脇田がトロルの足を攻撃する。
巨人だから足を動けなくして転倒させるしかない。幸いトロルの動きは遅い。ならばと、僕もアキレス腱を狙って攻撃を仕掛けてみた。
ザシュッ
手応えあり!
前よりも自分の力がついたような気がする。
今のところトロルの体が向きを変える様子はないし、この調子で攻撃していけば…
「マナト、離れろ!」
次の瞬間、目の前に大きなこん棒が目に飛び込んできた。
「しまっ…」
ドンッと背中を押された。
そのおかげでトロルからの攻撃は免れた、が…。
「ワッキー!!」
鈴の叫び声で何があったのか察知した。
脇田が僕を庇ったんだ。そのせいで、脇田はもろにトロルの攻撃を受けてしまった。
「…ぐっ…!」
血を吐く脇田。
慌てて脇田に駆け寄ろうとすると、
「わいのことは…構うな!!」
「…でもっ…」
「いけ! 戦え! 自分の力を…見せつけたれ!」
「…っ…」
僕は歯を食いしばって剣を握りしめた。
再びトロルのアキレス腱めがけて剣を振る。
「うわああああ!!」
力一杯、剣を振った。
しかしトロルの足はびくともしない。
他のプレイヤーも頑張っているが、トロルがなかなか倒れることはない。
あと何ポイント、ダメージを与えればいいんだろう。
画面に向かってゲームをしてる時は余裕だった。
攻撃受けても痛くなかったし、体力が減っても疲れなかった。ゲームのキャラクターたちはすごく強くて、特に主人公は勇者だから死ななかった。
この世界では勇者も、死ぬ?
そう思ったら、急に怖くなった。
剣を持つ手が震えて言うことを聞かなくなった。
死ぬって、どんなふうになるんだろう。
シュンは棺桶に入れられて、何か見えない力に引っ張られていった。
死んだらどこへ連れていかれるんだろう。
もうゲームの中から出られないのか?
亡霊となってこの世をさまようのか?
「…くそっ…」
考えるな、マナト!
そう自分を諭そうとするが、体が言うことを聞かない。
「わかった。フォローは任せて」
僕は風に防御力と攻撃力があがる呪文をかけてもらうと、トロルの背後に近づいて行った。
「とぅ!!」
脇田がトロルの足を攻撃する。
巨人だから足を動けなくして転倒させるしかない。幸いトロルの動きは遅い。ならばと、僕もアキレス腱を狙って攻撃を仕掛けてみた。
ザシュッ
手応えあり!
前よりも自分の力がついたような気がする。
今のところトロルの体が向きを変える様子はないし、この調子で攻撃していけば…
「マナト、離れろ!」
次の瞬間、目の前に大きなこん棒が目に飛び込んできた。
「しまっ…」
ドンッと背中を押された。
そのおかげでトロルからの攻撃は免れた、が…。
「ワッキー!!」
鈴の叫び声で何があったのか察知した。
脇田が僕を庇ったんだ。そのせいで、脇田はもろにトロルの攻撃を受けてしまった。
「…ぐっ…!」
血を吐く脇田。
慌てて脇田に駆け寄ろうとすると、
「わいのことは…構うな!!」
「…でもっ…」
「いけ! 戦え! 自分の力を…見せつけたれ!」
「…っ…」
僕は歯を食いしばって剣を握りしめた。
再びトロルのアキレス腱めがけて剣を振る。
「うわああああ!!」
力一杯、剣を振った。
しかしトロルの足はびくともしない。
他のプレイヤーも頑張っているが、トロルがなかなか倒れることはない。
あと何ポイント、ダメージを与えればいいんだろう。
画面に向かってゲームをしてる時は余裕だった。
攻撃受けても痛くなかったし、体力が減っても疲れなかった。ゲームのキャラクターたちはすごく強くて、特に主人公は勇者だから死ななかった。
この世界では勇者も、死ぬ?
そう思ったら、急に怖くなった。
剣を持つ手が震えて言うことを聞かなくなった。
死ぬって、どんなふうになるんだろう。
シュンは棺桶に入れられて、何か見えない力に引っ張られていった。
死んだらどこへ連れていかれるんだろう。
もうゲームの中から出られないのか?
亡霊となってこの世をさまようのか?
「…くそっ…」
考えるな、マナト!
そう自分を諭そうとするが、体が言うことを聞かない。