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赤い糸

第13章 With you


「…ハァ…んっ…」

体は覚えていた。

パジャマのボタンをはずされると大きな手が私の体を確かめるように撫でていく。

その指先はマメだらけでゴツゴツしてるのに ずっと触れられていたいと思うほどあたたかくて優しい。

でも

「邪魔。」

ブラを取られたらやっぱり隠してしまう。

あなたは知っているんだよね?何度も見てるんだよね?

必死で隠した手を大きな手が掬うように取り去ると京介さんは露になった胸にキスをした。

前と一緒?変わってない?

どうでもいいことが気になる。

前の私はどうやってあなたを受け入れていたんだろう。

その広い背中に腕を回していた?それともこうして指を絡めていた?

…チュッ

彼の唇が胸の頂きに落とされると

「…ヤッ…」

私の口から溢れたとは信じがたい声は

「…ンッ…ハッ…」

彼の舌と連動しているようで止めたくても止められない。

「可愛い声だな。」

反対側にも同じようにキスを落とされると

「…待っ…ハッ…」

ピチャピチャと…チュッと音を立ててまるでアメ玉のように食していた。

「もっと声聞かせて…」

その刺激は下腹が疼くっていうか響くっていうか…

女としての喜びなんだと気付かしてくれる、そんな甘い刺激だった。

止まらない喘ぎ声を止めたくて無機質な天井を見上げると

…そか

そこは見慣れた天井

私はいつもあなたがくれる快感から耐えられなくなると逃げるようにこの天井を見上げていたんだね。

「…京介さ。」

それを思い出したことによって自然と私の腕は彼の頭を抱きしめ

「…ンンッ…アッ…」

彼に身を任せる。

京介さんはそれを合図のようにパジャマのズボンに手をかけると

「少し思い出した?」

本当だ。あなたに隠し事は出来ないんだね。

「…はぃ。」

京介さんは私の耳にキスを落とすと

「もっと思い出させてやるよ。」

「…ンクッ。」

舌をツーっと耳に這わせた。

体は蕩けてしまいそうなのに

「…イヤっ…」

あなたはまだ私を蕩けさせる。

ショーツに指をスーっと這わすとキスを続ける耳元で

「濡れてんじゃん。」

囁いた。

「私のカラダ…おかしいですか?」

聞かなくたってわかってる。私の体はおかしい。

「おかしくないよ。」

ウソよ。

だってさっきからずっと雲の上に浮いてるみたいだもの。

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