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赤い糸

第14章 大切な時間


艶やかな肌。

その裸体は女豹のように腰を突き出し俺に覆い被さっていた。

受け身専門のおまえがこうやって攻めあげてくるときは決まって心が不安定なときだ。

正しく今がその時

コイツは旅立ったら他の女が寄り付くんじゃねぇか って要らない心配をしやがった。

…チュッ

少しずつ腰の方へと降りていく璃子の髪を梳しながら唇の行く末を見守る。

ぎこちなく進むその唇は時折赤い舌を覗かせて俺の体に小さな花弁を残していった。

別にこんなことして欲しいなんて思ったことはない。

出来れば俺がコイツの体をイヤって言うほど可愛がってやりたい。

でも、今日は頑張り屋さんの気持ちを快く受け止めた。

それは もっと俺たちのこと思い出して欲しいっていう願いと、忘れないでくれと言う気持ちからで…

「無理しなくていいんだぞ。」

「だ、大丈夫です。」

璃子にはその想いが届いているかな

熱を持った俺のナニを目の前にして小さく息を吸うと

「見、見ないでください。」

ぎこちない手でそっと握った。

…やべぇ

妙に優しく触れるからナニは素直に反応してしまう。

その瞬間を璃子は目の当たりにするとゴクリと息を飲み込んで

「…うっ…」

パクリと咥えた。

さすが初心者。思いっきりが違う。

なんて俺もまだまだ余裕ぶっこいて髪で被われてしまった真っ赤であろう顔をさらけ出す。

「ココ持って。そう動かして。」

何度かしてもらったことはある。

でもその度におまえは加減がわからないから嘔吐き大きな瞳に涙をいっぱい浮かべる。

「そんなに深く咥えなくていいから。ゆっくりな。」

だから今日はレクチャーなんかしてやる。

「そう上手。」

その気持ちに応えるように必死に愛してくれるおまえは可愛い。

でも、油断は禁物。

「…ウエッ…」

「バカ、調子に乗んな。」

決して上手いとは言えない初心者丸出しの愛撫。

そのヘタクソな加減が男心を擽って

「もういいよ。ありがとう。」

俺は不覚にも達してしまいそうになった。

ゆっくりと唇を離すとどちらのモノともわからない銀色の糸がツーっと延びる。

その情景がまた俺の心を擽って

「キスしてよ。」

催促してしまうほど愛らしかった。

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