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「もう…」

彼の熱を受け入れてなんとか動いてみるけど

「まだだ。もう少し頑張れよ。」

自分で与えるその刺激は計り知れないものだった。

整わない呼吸の狭間で喘き 欲に溺れた私は京介さんの目にどう映るのだろう。

「…ハァっ…待って下さ…」

伸びてくる長い腕は私の腰を持ち上げたかと思うと 胸を揉みしだき

「…ァッア…」

突き出した粒を摘まみ捻り上げる。

頂きはもうそこなのに…

「…京介さ…」

欲に溺れた体はただ卑猥な水音を響かせるだけで
一歩手前を行ったり来たりする。

「ふっ…イケないのか？」

「…ハァっ。」

そんな私をさっきから京介さんは微笑みながら見上げていた。

こんな時に思い出すのは可笑しなことだけど

『おねだりは？』

こんな状況のときは今みたいに意地悪な顔してよくそう言われていたことを思い出した。

あのときの私はちゃんと言えてたのかな…

勇気を出してねだればきっと彼は私を羽ばたかせてくれる。

でも、あのときは口にしてなかったのに 今口にしたら変な風に思われないかな…

余計なことばかり考えてしまっていた。

*

「腰が落ちてんぞ。」

気を使って抱くつもりだったのに いつもと変わらない俺がココにいた。

この期に及んで“ねだらせたい”なんてどうかしてる。

アイツは下手くそだから自分の良いところを狙ってしまうと快楽の海に飲まれて腰が止まってしまうから

「ヒャッ…」

少しだけ手助けをするんだけど…

「動かさなきゃイケねぇぞ。」

バカだなオレは…こんなときぐらい優しくしてやればいいのに。

「それとも…こういうときは何て言うんだっけ？」

璃子は頬を真っ赤に染めてずっと重ねていた視線を外すとか細い声で

「…おかし…る…」

「ん？聞こえない。」

俺の胸に両手をスッと這わせながらクタリと体を預けて

「もう…おかしくなりそう…」

乱れた息の狭間でねだった。

イケそうでイケない体は俺が背中に指を這わせただけでビクリと跳ね

「…京介さ…」

全身でねだった。

俺はその期待に応えるべく腰を両手でしっかりと支えると

「しょうがねぇな。」

下からガンガンに攻めた。

「…ヤァッ…！」

璃子は一瞬体を起き上がらせると

「…キスを…」

俺の頭を抱え込んで小さな唇を押し付け…ブルブルと震えながら果てた。