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赤い糸

第14章 大切な時間


「…ヤァっ…」

逞しい胸にクタリと横たわる私の耳を口に含みながら

「どうする?やめるか?」

意地悪に問いかける。

ザワザワと私の耳に響く彼の舌の音は私の下腹部をまた疼かせた。

「…あっ…待っ…」

ゆっくりと動き出す彼の熱は一向に冷めることはなく

「待たねぇ。」

私を淫らにさせる。

「俺はまだ…よいしょと…」

京介さんは私を抱き起こし 繋がったまま向い合わせで座らせると

「全然足りてねぇんだけど。」

ニヤリと笑って私の唇をペロリと舐めた。

少しだけ彼より高い目線になるこの体勢は彼のぬくもりをより感じることができる。

「ほら、べろ。」

「…んくっ…あぁっ…」

舌を絡ませた途端に腰を突き上げられれば すべて蕩けてしまいそう。

「なんだその顔。物足りないか?」

「…そんな…」

あなたの瞳を見つめていないとすぐにでもどこかへ羽ばたいてしまいそうなほど限界の私。

「狂ってみるか?」

これ以上愛されたら私はどうなってしまうんだろう。

首に腕を巻き付け必死にしがみついて ただあなたを感じる。

…ねぇ、京介さん。

「京介さ…」

「ん?」

「…奥…」

「なに?」

「…もっと…」

「もっと?」

「奥まで…欲しいです…」

壊れるほど…

「私を…メチャクチャに…ハァっ…して下さ…」

…狂わせて

*

「言われなくたって、そのつもりだよ。」

タガが外れた俺たちは貪欲に求めあった。

今までの時間を埋めるように…これからの寂しい時間を耐えられるように…

「イヤっ…またイッちゃ…」

いつもはどんなに催促したって唇を噛んで声を圧し殺すくせに

「…アァッ…ダメ…」

璃子は本能のまま喘ぎ紡いでくれた。

「まだ…下さ…」

「あぁ、くれてやるから。」

何度果てたって必死に喰らえつき俺の想いに応えてくれる。

体の震えは止まることはなくずっとイキっぱなしなんだろう。

「また…くるっ…」

コイツは必死でオレを受け止めていた。

「京介さ…」

「ん?」

璃子はそんな限界の中、俺の頬に手を添えると無理して微笑んで

「愛してます…」

そのまま意識を手放した。

「バーカ。」

少しだけ開いた唇にキスを落として

「それは俺の台詞だ。」

愛を紡ぐ。

小さな体を抱きしめて涙を流す俺は明日笑って送り出せるだろうか…

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