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好きなんですけど、こっちは

第6章 これだから… sideM

これだから…。

「ごめん。」
目を覚ますと、翔くんとリーダーと相葉ちゃんがいた。
酔い潰れて、翔くんが迎えに来てくれたらしい。

「珍しく荒れてんなー。」
翔くんは笑っていた。
「目、覚めてよかったー!」
相葉ちゃん、やっぱいいやつだな。
これなら任せられる。
「みんな、ごめん。なんか、久々に勢いで飲んでみたくなっちゃってさ。」
リーダーが深く息を吐いた。
「ほんと、ごめん。」

三人にめちゃくちゃ謝って、重たい身体を引きずって、家に帰った。
あーあ、結局、オフに家で独りになる。
これなら、あんな飲まずに朝から遊びに行った方がよかったか。

「ただいまー…。」

「おかえりなさい。」
玄関には正座したニノがいた。
「え。ニノ?」
「潤くん、おかえりなさい。」
「な、なんで?」
早くつき離さなきゃ。
同情なんてせずに好きな人のとこいとけよ。
…言葉がでない。
「潤くん、今日は休んで。」
されるがままにベッドにつれていかれる。

「ニノ…?」
やっぱさ、今、突き放すなんてできないよ。
むしろ…抱きたい。

「あのね、潤くん。」
「うん。」
やばい、手がむずむずする。
また強引に抱きしめてしまいたい。

「潤くんは俺のこと、もう好きじゃないかもしれないんだけど、俺は潤くんのことが好き…です。」

「今…なんて。」
「も、もう一回言わすの?」
「あ、ごめん。あの…まじ?」

え、なに…?
ニノ、俺のこと、好きなの?
「俺の一方通行じゃないの?」
「ち、違います。」
「そっか。」

なんであんなに寂しかったんだろ。

冷たかった指先に血が巡ってくる。
「ニノ、抱いていい?」

「…歯磨きだけして?」

ああ、酒臭かったか。
「…わかった。まってな?」

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