テキストサイズ

好きなんですけど、こっちは

第5章 すれ違いたくないのに sideN

すれ違いたくないのに、どんどんあの人は遠ざかっていく。

目が覚めると、相葉さんはいなくて、置き手紙があった。
『なんか松潤やばいって翔ちゃんから連絡きたから行ってくる。起きたら連絡ちょうだい』
え、なに、あの人やばいの?

急いで電話をかける。
「もしもし…!」
「…もしもし?」
甘い声…。
「…相葉、さん?」
「俺、だけど。」
「じ、潤くん?」
「俺の携帯なんだから俺が出るよ。」
あ…、間違えて潤くんの携帯にかけちゃってたんですね。
「用、なに?」
甘いのに冷たい声。
「え、その…大丈夫ですか?」
「別に。」
電話が切れる。

こんなことあります?

「さっきのほんとに…潤くん?」

ドキンドキンと心臓が音を立てている。
さっきのほんとに潤くんの声?
潤くんが俺に向けた言葉?

平然と相葉さんにメールしてみればいい。
翔くんやリーダーに電話してみればいい。
J、なんかあったの?って。

でも…できない。
心がもう壊れそう。

…。
いや?
壊れるくらいなら、いっそ粉々に砕け散らせてみればいい。

今から潤くんの家に行く。

合鍵を握りしめた。
会って、話して、すっぱりふってもらおう。
潤くんの口から、真実を聞けたら納得できるから。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ