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Treasure of life

第1章 Baby blue

side M


想いを伝えられないまま普段通りの毎日が過ぎていき、季節はもう冬になっていた。

でもそれは突然訪れた。

「世の中はもうクリスマス一色だね…」

「そうだね、街にカップルが溢れるね(笑)。潤は付き合ってる子とかいないの?」

「いないよ」

「好きな子は?」

「好きな人はいるよ」

「へ〜どんな人?って俺が聞いていいものか…」


ずっとこのままじゃ苦しい…。

心の奥にしまってた想いが口を衝いて出た。

「今、目の前にいる人」

「…え?」


「俺、智くんのことが…好きだ」


言っちゃった…。引かれたかな……。

俺は智くんの次の言葉を待った。


「俺も…潤のこと好きだよ」
智くんは微笑んで言った。


「…ほんと?」

「ほんとだよ」

「じゃあ俺と付き合って」

智くんはちょっと困った顔になった…。

「…それは…できない…」

「なんで?男同士だから?先生と生徒だから?」

「違う!

それは…」

智くんが言いかけた…
そのとき。

コンコン

「はい!」

「大野先生!来客です」

「すみません、今行きます。
…松本、今日はごめんな」

「…はい」

俺は美術準備室を出て、智くんと別れた。

智くんが言いかけた言葉って一体何だったんだろう……。

俺は家に帰ってから、母さんに以前から気になっていたことを聞いてみた。

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