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触感

第3章 洋菓子店

カランカランー



扉を開けると甘く良い匂いが部屋中に広がり、正面には曇りひとつないガラスケースがある。



その中にたくさんの色とりどりのケーキが並べられている。



宝石みたいとはよくいったものだが、まさにキラキラ光り、ツヤツヤしていて、とても綺麗だった。



「こんにちは、ようこそパティスリー・アサクラへ。」



満面の笑みを浮かべてガラスケースの向こう側にいたのは、間違いない、この人がアサクラさんだ。



背は私より少し高いくらいかな、そんなに大きくない。



でもあの腕。



意外と重労働なのかな。



筋張っていて、筋肉がしっかり浮き出ている。



しかもその顔を見て本当に驚いたのが、あの自転車での帰り道に妄想してしまったイメージの中に出てきたランナーにそっくりだったのだ。

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