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路地裏酒場の占い師

第1章 あ、忘れてた!「お題小説参加作品」(ここに書くな!)

 黒洲さんは、肩を震わし、カウンターに1滴1滴と雫が落ちる。

 汚いわね。

「でも、黒洲さん……」

「……はい」

「結果は喜べませんが……運命はいくらでも変えられます。必ずしも道は1つとは限りません。諦めずに、自分を信じていけば、結果はいい方に傾いていきます。ギリギリまで、来年のクリスマスまで、頑張ってみてはいかがですか? チャンスは他にもあるんでしょ? 全力でやりましょうよ。ゼロからのスタートです」

 そう言うと、袖で涙を拭いとり、ゆっくりと頭を上げた。

……汚いわね。

「ありがとうございました。でも、1つでも先が見えて安心しました。両親と話し合い、来年のクリスマスまでチャンスをくれるようにお願いをしてみます。最後まで、芸人を楽しみます」

「はい、頑張って下さい。幸ありますよう、願っております」


 半年後……。


 ホームレスネタで、大ブレイクした黒洲さんが、テレビで大人気となっていました。


 夢の石に映し出されるモノも、いろいろな見方があるものなんですね。


 誰か、私も占ってほしいわ。




(完)





え? お題、3つ揃ってないですって? 揃ってるわよ。ちゃんと見てちょうだい!


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