どうして私だけ…
第1章 生活
「凛花。おかえり」
凛花と純奈を見分けることができるのは、
この二人が入所した時からいるおばちゃん先生の
村田さんだけ。
「ただいま」
村田さんにだけは、凛花は
少しだけ、親近感を抱いている。
なぜだろう。
長年の付き合いだからだろうか。
「今日も部活?」
「うん」
だけど、村田さんの腕には
まだ4歳ぐらいの女の子が抱かれている。
来たばかりで、名前すら知らない。
長くいることになるのか、
それともすぐにいなくなるのか、
そんなこともわからないし
気にしなくなってしまった。