
もっとぐちゃぐちゃにして、
第7章 苦い気持ちと甘いチョコ
それからしばらくして2人分のオムライスが運ばれてきて、手を合わせてオムライスを食べはじめた。先に「美味しい!」と声をあげた先輩に同調するように美味しいですね、と言った。
本当は、オムライスの味なんてわからなかった。
食べ終わって会計しようとしたときに、先輩は奢ると言ってくれたけれど、私は意地でも奢られなかった。
どこか悔しかったから、素直に払ってもらう気持ちにはなれなかった。意地っ張りだ。
しょうがないな、と妥協して割り勘となったが、コンビニまでついてきてと言われて、本当は今直ぐにでも帰りたかったが、大人しくついていった。店に入るとすぐ何かを買った先輩は、袋ごと買ったものを私につきだした。
「……これは?」
「お前、チョコ好きだったろ?どうしてもお礼、したくてさ」
素直に奢らせてくれないんだもんと笑う先輩に胸が締め付けられる思いだった。震える手で袋を受け取り、顔をまともに見ないうちに先輩と別れた。
家に帰って、先輩にもらったチョコレートの包みを開けた。個包装になっているチョコレートを一欠片、口に放り込んだ。
甘い。甘いのに。
今までで食べたチョコレートの中で1番苦かった。
本当は、オムライスの味なんてわからなかった。
食べ終わって会計しようとしたときに、先輩は奢ると言ってくれたけれど、私は意地でも奢られなかった。
どこか悔しかったから、素直に払ってもらう気持ちにはなれなかった。意地っ張りだ。
しょうがないな、と妥協して割り勘となったが、コンビニまでついてきてと言われて、本当は今直ぐにでも帰りたかったが、大人しくついていった。店に入るとすぐ何かを買った先輩は、袋ごと買ったものを私につきだした。
「……これは?」
「お前、チョコ好きだったろ?どうしてもお礼、したくてさ」
素直に奢らせてくれないんだもんと笑う先輩に胸が締め付けられる思いだった。震える手で袋を受け取り、顔をまともに見ないうちに先輩と別れた。
家に帰って、先輩にもらったチョコレートの包みを開けた。個包装になっているチョコレートを一欠片、口に放り込んだ。
甘い。甘いのに。
今までで食べたチョコレートの中で1番苦かった。
