
もっとぐちゃぐちゃにして、
第2章 新たな出会い?
「離してあげてくれませんか」
はっきりとした声が鼓膜に響いた。パッと振り向けば強面の男性がオジサンの手首を掴んでいた。
「あ?だぁれだお前はぁ!」
「彼女の恋人です」
また、はっきりとした声で、口調で言い切った。助けてくれている、と頭の片隅で思いながらも、失恋後の頭にはその一突きで充分だった。
「チッ、彼氏持ちなら早く言えよ!」
「っきゃ!」
突き飛ばされた衝撃でレジ袋を落としてしまう。パリン、と怖い音がなる。しまった、と思いながら強面な男性のほうを見ると、襲いかかってきたオジサンを手刀で気絶させていた。
何が起きておるんだろう、と回らない頭で考えている間にも男性はどこかへ電話しはじめている。
会話が終わったのだろうか、スマホをジーンズの後ろポケットに収めた男性は私の方へ近づいて手を差し伸べた。
ありがとうございます、なんて謝辞を述べながら手をお借りして立ち上がる。男性が拾ってくれたレジ袋の中のバーボンは、とぷとぷと軽快な音を立てながら割れた瓶から溢れ出していた。
はっきりとした声が鼓膜に響いた。パッと振り向けば強面の男性がオジサンの手首を掴んでいた。
「あ?だぁれだお前はぁ!」
「彼女の恋人です」
また、はっきりとした声で、口調で言い切った。助けてくれている、と頭の片隅で思いながらも、失恋後の頭にはその一突きで充分だった。
「チッ、彼氏持ちなら早く言えよ!」
「っきゃ!」
突き飛ばされた衝撃でレジ袋を落としてしまう。パリン、と怖い音がなる。しまった、と思いながら強面な男性のほうを見ると、襲いかかってきたオジサンを手刀で気絶させていた。
何が起きておるんだろう、と回らない頭で考えている間にも男性はどこかへ電話しはじめている。
会話が終わったのだろうか、スマホをジーンズの後ろポケットに収めた男性は私の方へ近づいて手を差し伸べた。
ありがとうございます、なんて謝辞を述べながら手をお借りして立ち上がる。男性が拾ってくれたレジ袋の中のバーボンは、とぷとぷと軽快な音を立てながら割れた瓶から溢れ出していた。
