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運命の人

第2章 初めての会話

4月は社員総会のイベントがある。


わたしは決めていた。

まりな
(絶対他店舗の人と話す!!!)


社員総会はあのヒルトンホテルで行われた。

とても広い応接間を貸しきって、
おいしいコース料理、初めての社長、とにかくすべてが輝いて見えた。


藤原課長に連れられて、挨拶周りをした。

わたしは完全にビールの飲みすぎで酔っ払っていた。


挨拶には、社長、本部長、他部署の課長、、、
もちろん営業部の部署の役職者にも。


そう、あの米田課長にも。


彼の営業成績がずば抜けていること、
支店でも成績を出していること、
入社してから、表彰・評判などからは明確だった。


まりな
(今日こそは、米田課長に挨拶するぞ!!!)
(営業の秘訣とか聞きたいことがたくさんある!!!)


わたしは質問をたくさんした。


米田課長の人柄は、とても話しやすく
すぐにうちとけることができた。

米田課長
『なにかあったら、いつでも連絡しておいで。』

本当に優しかった。

少しうちとけてから、新婚旅行のことを思い出した。

まりな
『あの、ご結婚おめでとうございます!』

プライベートの話しをした。

すると

米田課長
『あー、もう離婚するよ。』


まりな
(はっ!!!??????)


彼の話によると、もう夫婦生活は終わっているらしい。

当然私は驚いた。


後日同僚から聞いた話だが、
奥さんは彼の10個上だそうだ。

彼女を抱けなくなってしまった彼は、
奥さんに『なんで抱いてくれないの・・・?』と言われ
お酒で寂しさを埋めた奥さんは極度のストレスで髪の毛が全て抜け入院をしていたそうだ。


わたしはその話をきいて、

まりな
(米田課長、大変なんだな~)

と他人事だけど少し気になっていた。


社員総会以降、米田課長には電話をよくしていた。

まりな
『米田課長はお客様からこういわれたらなんて言いますか?』

など彼の営業スタイルを盗みたかった。

米田課長は優しくいろんなことを教えてくれた。

たまに彼の仕事やプライベートの愚痴も聞いていた。

この頃、わたしは藤原課長に毎日怒られ毎日泣いていたのである。


米田課長は、他店舗ということもありいつも親身になって聞いてくれていた。


本当に可愛がってくれていた。

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