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運命の人

第1章  出逢い


会議では、前回欠席していた福岡の支店長がいた。

なぜかこの人のことが気になっていた。

米田 慎二。

入社2年で、その成績が認められ支店長になり課長になった実力の持ち主である。

べつに外見がタイプとかではない。

ただ
なんとなくこの人のことが気になっていた。

もちろん、既婚者だってことも知っていた。
前回の会議中は新婚旅行で欠席していたのも当然覚えていたからだ。


まりな
(いや、占いうそやん!)
(3月に出会うって既婚者やし、この人!笑)


純粋に占いを信じていたわたしがばかばかしくなっていた。


とくにこの日の会議でも、他店舗の社員と関わることはなく
同僚の長澤さんとひっついて行動していた。


それからというもの、仕事は相変わらず激務。


東京から移動してくる女性の営業スタッフは、課長へと昇格し
大阪の移動は白紙となっていた。


このときは本当に苦しかった。


仕事は成績がそこまで出ているわけではないし、
業者とのやりとりは若い女性というだけで馬鹿にされた。

中にはお客様もそういう態度をとる人は多かった。


若い女性の営業スタッフは、どんなに完璧な仕事をしても
『出来ることが当たり前』という目線で見られる。


以前の職場では、責任者としてクレーム対応もそれなりにこなしてきた。

若くても立ち振る舞いだけは自信があったわたしも、
この目線には苦しんだ。


まりな
(だれか相談できる人がほしい。。。)


実はこのとき、藤原課長は本性も現していた。


彼は、実はわたしと同じ年でとても口が悪くすぐに怒鳴る人だった。


こんな言い方をしてしまうと、
彼がすごく悪い人にみえてしまうが(笑)そんな部分もある
とても部下思いの人に優しい面倒見がいい人である。


このときは、藤原課長と仕事終わりに二人で飲みに連れて行ってもらうような中になっていた。


ただわたしは誰かに助けてもらいたかった。

同僚の長澤さんでもなく、藤原課長でもなく、
ただただどうしようもない不安と心がとても疲れていたと思う。


気がついたら3月が終わっていた。

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