テキストサイズ

運命の人

第1章  出逢い

東京での会議を終え、わたしは焦っていた。

なぜならまだ契約を取れていないからだ。

案内の仕方、不動産知識など何もなくわからないまま
ただただお客様を案内していた。


なぜなら、東京の会議であることが決定していた体。

支店長である藤原課長が福岡にヘルプに行くことになっていた。


大阪の支店は、経験者の長澤さんと未経験のわたしの二人で仕事を行っていた。


お昼ごはんを食べる暇もなく毎日がむしゃらに働いていた。

とにかく、必死で契約をとることに集中していた。


すると、一組具体的なお客様に出会った。


実際に『買いたい。』と言ってくれたお客様だ。


しかし、今後の流れなどなにも知らない。


わたしは困り果てていた。

とにかく、来週にアポイントをつないだ。

藤原課長も来週には戻ってくる。

わたしはとにかく契約がとりたかった。


翌週、帰ってきた藤原課長と一緒にそのお客様を契約流れなど
お客様に話してもらい、業者とのやりとりなど全てやってもらった。

藤原課長の交渉の仕方、話し方、振る舞いは本当にかっこよかった。


わたしは、初めての契約。

すべてわからないまま支持されるとおりに動いていた。


とにかく、契約がとれたことがなにより嬉しかったのとほっとしたのである。


すっかりやる気になったわたしは、つぎも契約をとりたい!

東京から移動してくる予定の女性の営業スタッフをいまやいまやと心待ちにしていた。


そうこうしているうちに3月の営業会議の時期になった。


このとき、お昼ご飯も食べる暇もなかったわたしは入社時から2キロ体重が落ちていた。


どうやら、この頃になってようやく気づいたのだが
この会社はブラック企業に近いのかもしれない・・・笑


藤原課長は入社してから10キロは痩せたそうだ。


ただ収入は、前職よりも約15万円は増えていた。

わたしは収入だけがやりがいであった。


気づいたら3月で、
久しぶりに占い師の言葉を思い出していた。


まりな
(あー、もしかしたら今月の会議で運命の人に出会うのかも!)

なんてのんきなことを考えながら、東京に向かった。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ