あと3秒だけ。
第15章 ふたりの危機。
支店長の目は、
私の目をじっと見ていた。
思わず私は視線を逸らしてしまう。
『セクハラ、受けている人はいないと思います』
『・・・・・・・・・そうか。』
支店長は、一度私から目を離し
大きく深呼吸をした。
少しの沈黙が、すごく長く感じた。
『上野さん、彼氏はいるのかね?』
『えっ』
『女性には全員聞いているんだけどね。もし、彼氏がいて、いずれ結婚となれば仕事を今後どうするのか前もって聞いておくんだよ。』
『あ・・・・・・彼氏、私いないんです。』
『あ、そうなのか。てっきりいるのかと思っていたよ』
『え?どうしてですか?』
『いや、何となくだよ』
そう言うと、支店長は他になにか話しておきたいことや、気になることは上野さんからはないかい?と聞かれた。
いいえ、ありません。と答えると、
面談は終わった。