あと3秒だけ。
第16章 人目を盗んで。
『ちょっと寒いな。車戻ろうか。』
『もう・・・終わりですか・・・?』
『違うよ。車の中で話そ。』
気をつけながらベンチから降りて
再び手を繋ぎ来た道を戻る。
だけど、
貴久は私を後部座席に座らせ、
貴久も乗ってきた。
『え・・・貴久さん?』
『有紗が欲しい。我慢出来なかった…ずっと。』
キュンと胸が鳴る。
貴久の手が私の太ももの上に乗った。
『貴久さん・・・。私も、あの日からずっと・・・貴久さんが欲しくて・・・その、』
いきなり貴久の唇が私の口を塞いだ。