あと3秒だけ。
第17章 愛してる。
シン…と部屋が静まる。
先に口を開いたのは貴久だった。
『有紗・・・。俺一人目の子のとき、仕事で立ち会えなかったんだ。初めての出産で怖かっただろう妻の手を握り励ますことも出来なかったんだ。結局ちえみは、ひとりで産んだんだ。俺。次こそは立ち会うって決めてるんだ。・・・・・・ごめん。』
『・・・わかりました…。ごめんなさい。』
貴久の、手から服を取り着替えた。
貴久は急いで車に乗り、
スピードを出し私の家まで送ってくれた。
車内は終始無言で
貴久を見ると、
チラチラと時間を確認していた。