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あと3秒だけ。

第18章 貴久side2

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『はい、神田さーん。
ゆっくり吸って〜、吐いて〜.....』

『ふぅーーーーっっ、痛いいい!!!!』


ちえみは、泣き叫ぶように

痛みに堪えながら何度もいきんだ。


『ちえみ・・・。頑張れちえみ・・・!』


俺はちえみの手を握ることしか出来ない。

男は無力だと、痛感した。

俺はただひたすら、ちえみを励まし続けた。


『痛い痛い痛い痛い!!!!!
もう無理、無理無理無理無理〜〜!!!!』


『神田さーん!赤ちゃん、少しずつ見えてきましたよ!!!あと少しですから頑張りましょう!!』


『ちえみ、あと少しだって!!頑張ろう!!!』


『ううぅぅぅぅ〜〜っっ・・・』


ちえみは、大量に汗をかき

目には涙が滲んでいた。


『神田さーん!!あと少しです!!!
いきますよ!せーーーーーのっ!!!!』


『んんんんんんーーーーっ!!!!!!』


そして、

赤ちゃんの産声が部屋中に響き渡った。


『神田さん!生まれましたよ〜元気な女の子です』

タオルに包まれ、

ちえみと俺は赤ちゃんに、初対面した。

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