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あと3秒だけ。

第19章 突然の。


久しぶりの電話…。

ゆっくりと、通話ボタンを押した。


『も、もしもし・・・』

『もしもし、有紗・・・。久しぶりだな。
って言っても職場では毎日あってるけど(笑)』

『ハハッ、そうですね』


貴久と普通に話せていることが

嬉しくて、思わず涙が出そうになるが

私は必死に堪えた。


『有紗、・・・・・・ごめんな。』

『え?』

『あの日以来、何も連絡取れなくて。』



ーーー“あの日”。

貴久が奥さんの陣痛が始まったと言い、

私を連れて帰ったあの日のこと。

ついこの間のことのように、

今でも鮮明に覚えている。


『有紗、やっぱり直接話したい。
今から会いに行ってもいいかな??』

『今からですか・・・?』

時計を見ると22時を回ろうとしていた。

『・・・はい、わかりました。』

『ありがとう、じゃあついたらまた連絡する。』


そう言い電話を切った。

私は部屋着だったから

軽く着替え、冬の夜は寒いから

たくさん服を着込んだ。


久しぶりに貴久と、会える。

少しワクワクしてる自分がいた。


少しして貴久から着いたと連絡があり、

私はこそっと家から出て貴久の車に乗りこんだ。


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