君がいる風景
第12章 恋は虹色
適当に会話をはぐらかしてると
ホールから相葉ちゃんがキッチンを覗きこんできた。
「あれぇ?今日は翔ちゃん休みだっけ?」
「ああ、休みだけど。どしたの?」
「ううん、明日から翔ちゃんに後輩が出来るよって教えてあげようと思ってさ。
俺の高校時代のツレなんだけど、翔ちゃんに
負けないかわい子ちゃんだからさ。
ホールに2人で立ってたらかなり女性客から
歓声があがっちゃうかも!」
「へぇ、じゃあ潤に教えてやったら。
あいつ新入りとかめっちゃ気にするだろ」
「そだね、あれ?でも
なんで大ちゃんが翔ちゃんの休みを知ってんの?」
やべぇ
相葉ちゃんっておもいきり鈍感な事の方が
圧倒的に多いくせに、たまにドキリとさせる
嗅覚や感覚を持ってたりする。
「ああ、えっと…そうそう、
さっき休憩中にシフトをさ、見たんだ」
なぁんだそっかぁ、
なんてのん気に背伸びしながら潤を探しに行く相葉ちゃん。
とりあえずうまく誤魔化せたかな?
もうしばらくは俺ら2人だけの秘密にしとくのも
悪くないよな。