君がいる風景
第16章 デート
「ねぇねぇ、あのさぁ
もうすぐ大ちゃんの誕生日なんでしょ?」
「はぁ?なんでそんなこと知ってんだよっ
あ、かずのヤツか?!」
家族と暮らさなくなって恋人もいない
男やもめな生活が続いてたから、誕生日なんて
自分でも忘れ去ってた。
ちょうど次の店の定休日の日
俺の誕生日に合わせてまた男子会を開こうって
話が勝手に盛りあがってんだけど
……はぁ、マジかよ。
どうせなら今年の誕生日は翔ちゃんと2人きりで
ささやかに祝ってもらいたい。
なんてぼんやりしてたら
かずと雅紀が俺の誕生日の日に俺んちで
バースデー飲み会をするってことに決めたらしく
翔ちゃんが
智くん大丈夫?って心配そうに声をかけてきた。
「おいっおめえら、勝手に決めんなっ!」
「まあまあ、イイじゃん
智兄んちってすごく広いし、彼女もいないし
鍋パくらいできるもんね」
「へぇすっごいじゃん
じゃあ決まりね、材料買って仕込みするから
すこし早い時間から集まっちゃおっか?」
「広間みたいなでかい部屋もあるし、
万が一みんなで泊まっても十分雑魚寝できるしね」
「ちょっと待てや。おめえら勝手にっ!」