君がいる風景
第2章 出逢い
「大ちゃんてっば、聞いてる?!」
「あ?」
「もう、櫻井くんの歓迎会来週の定休日でいいよね?」
「ああ、俺は別に…いつでも」
「じゃあキッチンのメンバーにも声かけててね」
「明日からよろしくお願いします」
「へーい」
ホールの制服を一式手渡されて丁寧にお辞儀を
してくるので、こっちまで恐縮して頭を下げた。
相葉ちゃんが先輩風をふかせながら店の事を
いろいろ語ってるんだけど
まとまりが無くて、すぐに横道へとそれる話に
思わず首を傾げたりなとこもあるんだけど
櫻井翔は真面目にメモを取って真剣な顔でペンを走らせていた。
その真剣な横顔も本当に端整できれいな顔。
もしここに画材道具があれば
きっとさまざまな角度からデッサンをしてる自分が
いるんだろうなぁって思ってしまう。
久しぶりに画用紙に向かい合いたいと思いが強く
込み上げきてた。
そんな自分の気持ちに驚きを隠せなかった。