君がいる風景
第19章 掃除日和
翌朝、小春日和の穏やかな心地よい朝
俺たちは2人で手を繋いで眠ってたんだ。
午前中に手分けして掃除を始めた。
広間の押入れから客用布団を引っ張りだしてきて
庭先に干しておく。
朝飯は、昨日の残ったおかずを温めなおして、
タマネギの味噌汁。
2人並んで立つキッチンで翔ちゃんは張り切って
エプロンまで着けてた。
いつかふりふりのエプロンを着せたら
似合うだろうなぁなんてぼんやり考えてたから
危うく指先を包丁で切るところだった。
「やっべぇ。ふぅあぶねぇ」
「大丈夫?」
俺の指先を掴んで切れてないかを見てくれて
これってさ、なんか新婚さんぽくね?
一人暮らしの朝だと、
せいぜいテレビと向かいあってパンを咥えて
しずかに家をでるくらい。
翔ちゃんと2人の朝だとこんなに笑顔になれて
あまい雰囲気でいちゃいちゃ時間を
過ごせるんだなぁってその違いを噛み締めていた。
広間から廊下、階段、ほとんど使ってなかった
部屋の掃除とかは、
意外なくらい労力を費やして
掃除が終わる頃には2人とも全身真っ黒になってた。