君がいる風景
第20章 2階の部屋
風呂からあがってお互いの髪をしっかり乾かして 少しこたつでくつろいでた。
2人とも腹は減ってたけど夕飯の美味い鍋に
備えて昼飯は抜いとくって決めたんだ。
昔のでもいいから俺が描いた絵を見たいって
言ってくれたから
学生時代に使ってた2階の俺の部屋に案内して
かあちゃんがまとめてくれてるガキの頃からの
ファイルを取り出して見せることになった。
階段を上って1番奥の部屋、ここの窓からも
夕陽がきれいに見えるんだ。
今は季節の洋服の入れ替えとかくらいでしか
この部屋に入る事はない。
ガキの頃好きだったアーティストのポスター
かあちゃんが飾ってくれてる表彰状なんかは
そのまんま、学生時代から変わり映えしない部屋。
ベッドの上に腰掛けて
俺の小学生時代からの作品に熱心に見入ってくれる
「これも、こっちもキレイな色使いだね。
うわぁ、小学生なのにこのクオリティって
ヤバくない?!
智くんってやっぱりすごい才能の持ち主だね。
本格的に絵を描いたらいいのに。」
「いや、たまに描こうかなぁって思うんだけどさ。なんか面倒くさくなってさ」