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君がいる風景

第2章 出逢い



潤のよけいな一言で気まずくなった。

昨日勝手に描いたスケッチブックのデザイン画。
そのこともあって、
俺は上手く言い訳も出来ないままで櫻井は休憩室から出て行ってしまった。


毎朝毎晩
仕事帰りに手を合わせる小さな祠
その行動は今までと変わりないけど
手を合わせて祈る内容が変わってきていた。

櫻井翔の誤解がとけますように

普通に話せるようになりますように


ホールの連中ともすぐに仲良くなり、松潤の
ファンクラブの女子達も
櫻井翔のこまめな優しさや気づかい、丁寧な接客 姿勢に黄色い声をあげて話題にしてる。


俺はもともと口数が少なく人付き合いを苦手な
方だから、この職場で番号を交換してる女子なんていない。

松潤や、相葉ちゃんが話しかけてくる会話で
いろいろな事を知ったりすることがほとんど。


他人に対して興味を持つことなんて
今までほとんど無かった。

なぜだか櫻井翔だけは気になる存在で


だからといって自分から話題を持ちかけて
談笑したり雑談したりもできない。

俺ができることは焼きあがったベーカリーを
店頭の販売コーナーに並べに行くときにこっそり
姿を探して、働く様子を見るくらいだった。



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