君がいる風景
第2章 出逢い
「あっあの、失礼します
オーナーが松本君を呼んでくれって…」
「ああ、わかった。じゃあね智。
あ、櫻井翔くんだったよね?やっぱ可愛い顔。
俺スイーツ部門の松本潤。
いろいろ教えてあげるから仲良くしようね」
「あ、えっと…は、はい。」
「智もちゃんと言い訳しときなよ。
でないとかわいくて真面目な翔くんに嫌われるよ」
マジで年上を揶揄いやがって!!
潤が楽しげな眼差しで休憩室から出て行った
取り残された俺と櫻井翔の2人の間には
なにかしらの気まずい空気が漂ってて
「あの、大野さん。
俺、別にさっきの話気にしてませんから」
「違っ…別に、あのさ櫻井がどうのこうのって
訳じゃなくて、潤が真面目な櫻井のことを
揶揄うってみたいな事言いだしたから…その」
「どうも、ありがとうございます
じゃあ、俺ホールに戻りますね」
昨日のスケッチブックに描いてたきれい顔が
優等生みたいな微笑みを見せた。
けど、それは自然な笑顔じゃなくて、どこか
他人行儀な愛想笑いみたいなやつで
はじめて見たあのときのやわらかな微笑みとは
ぜんぜん違っていた。