テキストサイズ

君がいる風景

第3章 歓迎会



1週間も過ぎると
すっかり店にも慣れてきた様子で相葉ちゃんと
談笑しながらテーブルセットの並べていた。


「翔くんさ、客からの評判も上々みたいだよ。
この間なんて大声で泣き出した子供がいてさ
おろおろして困った様子の若いママさんが
いたらしいんだけど、
翔くんがペーパーナプキンでいろいろ作って
あやしてあげてさ
最後は抱っこまでしてすっかり懐かれて
周りの客もそれにはすっげえ感心してたよ。」


「へえ、やるじゃん。
俺にはガキ相手なんて絶対ムリだわ」


「だよね、俺もムリ。
翔くんには年の離れた弟がいてるんだってさ。
将来イクメンになるって女子どもが興奮してたし。」


俺にやたらと櫻井翔の話をしてくる松潤がいる。


「おまえさ、マジであの櫻井翔とどうにかとか
考えたりしてるのか?!」

「あれ、もしかして気づいてないの?
智ってさ、けっこう翔くんのこと見てるよ。
店に出てきても目線で探したりしてるでしょ」

「んなことねぇしっ!たまたまだろうがっ」

「まあ、いいけどね。
俺は今度飯でも誘ってもっと翔くんと話して
じっくり知りたいなぁって思ってるよ。」



潤の挑発的な視線に黙り込んでしまう。

こっそり視線で探してたつもりだった

そのことが潤にバレバレだった事が恥ずかしくて
情けねえなぁって思えて、それからは意識して
櫻井翔をなるべく見ないように話しかけないように
するようになっちまった。




ストーリーメニュー

TOPTOPへ