君がいる風景
第1章 落とし物
冷蔵庫の中身が乏しかったことを
思い出して深夜も営業したるスーパーに立ち寄って適当な商品と惣菜なんかをカゴにいれてビールの銘柄を選んでたとき
ふと目にとまったのは手書きポップの広告。
「お、そうだ!」
あるアイディアが浮かんで
かばんの中にいれてるペンケースを取り出して
油性ペンを確認した。
スーパーのチラシをもらって
レジが終わってチラシの裏に文字を走らせる。
もう一度駅前の自転車置き場の横まで
やってきて自転車をとめる。
祠の前に立ちさっきもらったおおきな柿をとりだしてから、かずの言ってくれた
アドバイスでちらしの裏に書いてメッセージを
祠にお供えしておく。
柿を重石代わりにその上に乗っけておいた。
今朝のサメの自転車の鍵拾って供えてくれた人へ
ありがとうございました
マジでめっちゃ助かりました
柿には俺のにやけた笑顔を手早く描いておく。
「おっし!
これで大丈夫だろっ」
ペダルを漕ぐ足取りがいつもより
軽く感じながら自宅へと帰っていった。